YouTube動画をAPIなしで手軽にダウンロードできるyt-dlp。
この記事では、yt-dlpのインストール方法から、サンプルコードを交えた具体的な使い方まで徹底的に解説します。
yt-dlpを使いこなして、YouTube動画をもっと自由に活用しましょう。
この記事を読めば、以下のことがわかります。
- yt-dlpのインストールと基本操作
- サンプルコードを使った応用的な使い方
- 利用時の注意点とトラブルシューティング
- GUIの代替ソフト
yt-dlpとは
ty-dlpとは、 youtube-dl
のフォークとして開発されており、より頻繁に更新され、新しい機能やバグ修正が迅速に行われています。
youtube-dlは、元々非常に人気がありましたが、メンテナンスが遅れることがあり、最新のサイト変更に対応しきれないことがあります。
yt-dlpは、YouTubeなどの動画共有サイトから動画や音声をダウンロードするためのコマンドラインツールです。
さまざまなサイトに対応しており、動画のダウンロードだけでなく、メタデータの取得や形式変換など、多くの機能を備えています。
YouTube動画活用の第一歩
YouTubeを便利にするために、まずyt-dlpを使いこなせるようになりましょう。
yt-dlpを使用すると、お気に入りの動画をオフラインで視聴したり、教育コンテンツを保存して学習に役立てたりできます。
使いこなせば、YouTube動画の可能性が広がります。
コマンドラインツールの魅力
コマンドラインツールは難しそうに感じるかもしれませんが、大丈夫です。
yt-dlpは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を持たないため、ターミナルからコマンドを入力して操作します。
操作に慣れれば、GUIツールよりも効率的に作業を進めることができるでしょう。
自動化スクリプトとの連携もしやすく、柔軟な動画管理が可能です。
yt-dlpのインストールと基本
yt-dlpを使うにあたって、まず必要になるのがインストールと基本的な操作です。
ここでは、yt-dlpをインストールする方法と、動画をダウンロードするまでの基本的な流れを解説します。
インストール方法
yt-dlpのインストールは、Pythonのパッケージ管理ツールであるpipを使用するのが一般的です。
コマンドプロンプトまたはターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
py -m pip install yt-dlp
上記のコマンドを実行すると、yt-dlpとその依存関係が自動的にインストールされます。
インストールが完了したら、yt-dlpのバージョンを確認してみましょう。
以下のコマンドを実行します。
yt-dlp --version
バージョン情報が表示されれば、インストールは成功です。
もしエラーが表示される場合は、Pythonの環境設定やpipのバージョンを確認してみてください。
yt-dlpのインストール方法は、使用しているOSによって若干異なる場合があります。
詳細はyt-dlpの公式ドキュメントを参照すると、より詳しい情報が得られます。
基本的な使い方
インストールが完了したら、いよいよyt-dlpを使ってみましょう。
ここでは、YouTube動画をダウンロードする基本的なコマンドを紹介します。
yt-dlp [動画URL]
上記のコマンドを実行すると、指定したYouTube動画がダウンロードされます。
動画URLは、YouTubeの動画ページのURLをコピーして貼り付けてください。
ダウンロードされた動画は、基本的にコマンドを実行したディレクトリに保存されます。
yt-dlpは、さまざまなオプションを指定することで、より高度なダウンロードが可能です。
例えば、動画の画質や形式、ダウンロード範囲を指定できます。
コマンドオプション
yt-dlpには、ダウンロードをカスタマイズするための豊富なコマンドオプションが用意されています。
ここでは、よく使うオプションをいくつか紹介します。
オプション | 説明 |
---|---|
-F | 利用可能なフォーマットを一覧表示 |
-f bestvideo+bestaudio | 最適なビデオとオーディオを組み合わせる |
-o | 出力ファイル名を指定 |
-x | オーディオのみをダウンロード |
–audio-format mp3 | オーディオ形式をMP3に指定 |
–dateafter now-3month | 3ヶ月より後の動画をダウンロード |
–match-filter “title~=繁花梦” | タイトルに「繁花梦」を含む動画をダウンロード |
これらのオプションを組み合わせることで、自分のニーズに合ったダウンロードができます。
たとえば、特定の画質でダウンロードしたり、プレイリスト全体をダウンロードしたりできます。
yt-dlpのオプションは非常に多岐にわたるため、公式ドキュメントを参照して、自分に必要なオプションを見つけてみてください。
サンプルコードで学ぶyt-dlp
yt-dlpは、YouTubeなどの動画サイトから動画や音声をダウンロードするためのコマンドラインツールです。
ここでは、yt-dlpを使いこなすための様々なサンプルコードを紹介します。
動画情報の取得
動画のタイトルや再生時間、サムネイルURLなど、さまざまな情報を取得できます。
例えば、以下のコードを実行すると、指定した動画のタイトルが表示されます。
import yt_dlp
ydl_opts = {}
with yt_dlp.YoutubeDL(ydl_opts) as ydl:
info_dict = ydl.extract_info("https://www.youtube.com/watch?v=tBtL35DSLVg", download=False)
video_title = info_dict.get('title', None)
print(video_title)

動画情報を取得することで、ダウンロードする動画の間違いを防げます。
音声のみダウンロード
動画ファイルから音声だけを抽出してダウンロードできます。
音楽やラジオ番組など、音声コンテンツだけが必要な場合に便利です。
以下のコマンドを実行すると、指定した動画からMP3形式で音声のみがダウンロードされます。
下記サンプルコードの実行にはFFmpegのインストールが必要です。
↓サンプルコード
import yt_dlp
# ダウンロードオプション
ydl_opts = {
'format': 'bestaudio', # 最良の音声フォーマットを指定
'postprocessors': [{
'key': 'FFmpegExtractAudio', # 音声抽出のためのFFmpegを使用
'preferredcodec': 'mp3', # 音声の形式(ここではMP3)
'preferredquality': '192', # 音質を指定
}],
'outtmpl': '%(title)s.%(ext)s', # 出力ファイル名のテンプレート
}
# YouTubeリンク
url = "https://www.youtube.com/watch?v=tBtL35DSLVg"
with yt_dlp.YoutubeDL(ydl_opts) as ydl:
ydl.download([url]) # 指定したURLからダウンロード
↓terminal
yt-dlp -x --audio-format mp3 [動画URL]
音声のみダウンロードすることで、データ容量を節約できます。
範囲指定ダウンロード
動画の一部分だけをダウンロードしたい場合に、開始時間と終了時間を指定できます。
例えば、講義動画の特定の部分だけを保存したい場合に便利です。
以下のコマンドでは、動画の1分から2分までの範囲をダウンロードします。
↓サンプルコード
import yt_dlp
# ダウンロードオプション
ydl_opts = {
'format': 'bestaudio', # 最良の音声フォーマットを指定
'postprocessors': [{
'key': 'FFmpegExtractAudio', # 音声抽出のためのFFmpegを使用
'preferredcodec': 'mp3', # 音声の形式(ここではMP3)
'preferredquality': '192', # 音質を指定
}],
'outtmpl': '%(title)s.%(ext)s', # 出力ファイル名のテンプレート
}
# プレイリストのURL
playlist_url = "https://www.youtube.com/playlist?list=YOUR_PLAYLIST_ID"
# 範囲指定(例えば、1から5番目の動画をダウンロード)
download_range = (1, 5)
with yt_dlp.YoutubeDL(ydl_opts) as ydl:
# プレイリストの情報を取得
playlist_info = ydl.extract_info(playlist_url, download=False)
video_urls = [entry['url'] for entry in playlist_info['entries']]
# 指定した範囲の動画をダウンロード
for url in video_urls[download_range[0]-1:download_range[1]]:
ydl.download([url])
↓terminal
yt-dlp -ss 00:01:00 -to 00:02:00 [動画URL]
必要な部分だけダウンロードすることで、時間の節約にもつながります。
プレイリスト一括ダウンロード
YouTubeのプレイリストに含まれるすべての動画を一括でダウンロードできます。
お気に入りのアーティストの曲やシリーズ動画をまとめて保存したい場合に便利です。
以下のコマンドを実行すると、指定したプレイリスト内のすべての動画がダウンロードされます。
↓サンプルコード
import yt_dlp
# ダウンロードオプション
ydl_opts = {
'format': 'bestaudio', # 最良の音声フォーマットを指定
'postprocessors': [{
'key': 'FFmpegExtractAudio', # 音声抽出のためのFFmpegを使用
'preferredcodec': 'mp3', # 音声の形式(ここではMP3)
'preferredquality': '192', # 音質を指定
}],
'outtmpl': '%(title)s.%(ext)s', # 出力ファイル名のテンプレート
}
# プレイリストのURL
playlist_url = "https://www.youtube.com/playlist?list=YOUR_PLAYLIST_ID"
# プレイリストを一括ダウンロード
with yt_dlp.YoutubeDL(ydl_opts) as ydl:
ydl.download([playlist_url]) # プレイリストURLを指定してダウンロード
↓terminal
yt-dlp [プレイリストURL]
プレイリスト一括ダウンロードすることで、手動で一つずつダウンロードする手間を省けます。
yt-dlp利用時の注意点と代替手段
ここでは、yt-dlpを使用する上で注意すべき点と、もしもの時に役立つ代替手段について解説します。
安全かつ快適にyt-dlpを利用するために、ぜひ確認してください。
著作権の遵守
yt-dlpは便利なツールですが、利用時は著作権に十分な注意が必要です。
他人が制作したコンテンツを無断でダウンロードし、個人的な範囲を超えて利用すると、著作権法に抵触する可能性があります。
例えば、以下のような行為は著作権侵害にあたるかもしれません。
- ダウンロードした動画を許可なくSNSにアップロードする
- ダウンロードした動画を販売する
- ダウンロードした動画を商用利用する
著作権法を遵守し、合法的な範囲内でyt-dlpを使用しましょう。
利用規約を確認し、不明な点があれば専門家へ相談するようにしましょう。
著作権を守って、yt-dlpを安心・安全に利用してほしいです。
エラーとトラブルシューティング
yt-dlpを利用していると、様々なエラーに遭遇することがあります。
ここでは、よくあるエラーとその解決策をいくつか紹介します。
エラーの種類 | 原因と対策 |
---|---|
ダウンロードできない | URLが間違っている、動画が削除された、アクセス制限がある: URLを確認し、動画が公開されているか確認。プロキシ設定やVPNが必要な場合もある |
音声が出ない | コーデックの問題、音声ストリームの選択ミス: 必要なコーデックをインストール。–extract-audioオプションで音声のみを抽出してみる |
画質が悪い | 画質設定が低い、ストリームの選択ミス: -fオプションで適切な画質を選択。利用可能なストリームを確認する |
字幕がダウンロードできない | 字幕が存在しない、字幕オプションの設定ミス: –write-auto-subや–write-subオプションを試す。利用可能な字幕を確認する |
これらの解決策を試しても問題が解決しない場合は、yt-dlpの公式ドキュメントやGitHubのIssueなどを参照すると、解決の糸口が見つかるかもしれません。
エラーを解決して、快適にyt-dlpを利用しましょう。
おすすめ代替ソフト
yt-dlpは非常に優れたツールですが、GUIがないため、コマンド操作に抵抗がある方もいるでしょう。
そこで、ここではyt-dlpの代替となる、GUIを備えたおすすめのダウンロード支援ソフトをいくつか紹介します。
ソフトウェア名 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
4K Video Downloader | 高画質動画ダウンロード、プレイリスト・チャンネルダウンロード対応 | シンプルで使いやすいインターフェース、様々な動画サイトに対応 | 無料版は機能制限あり、バンドルウェアに注意 |
Freemake Video Downloader | 豊富な形式に対応、YouTube以外のサイトもサポート | 多様な出力形式、YouTube、Vimeo、ニコニコ動画など幅広いサイトに対応 | インストール時に不要なソフトがバンドルされることがある、無料版は機能制限あり |
ClipGrab | シンプルな操作性、YouTubeに特化 | 直感的な操作で簡単にダウンロード可能、YouTubeに特化 | 対応サイトが限られる、機能が少ない |
これらのソフトウェアは、yt-dlpと同様に動画のダウンロードを支援するツールですが、それぞれ特徴や使いやすさが異なります。
ご自身のスキルや目的に合わせて、最適なソフトウェアを選択するといいでしょう。
代替ソフトを活用して、より手軽に動画を楽しみましょう。
よくある質問(FAQ)
- Qyt-dlpのインストールでエラーが発生した時はどうすればいいですか?
- A
まずは、Pythonとpipが正しくインストールされているか確認しましょう。次に、yt-dlpのバージョンを確認し、最新版にアップデートしてみてください。コマンドを打ち間違えている可能性もあるので、もう一度確認することも有効です。
- Qyt-dlpで動画をダウンロードする際に、最適な画質を選ぶにはどうすればいいですか?
- A
-Fオプションを使うと、ダウンロードできる動画の形式や画質の一覧が表示されます。その中から、自分の希望に合った形式を選んで、-fオプションで指定してダウンロードしてみてください。bestvideo+bestaudioを選ぶと、通常は最も良い画質と音質でダウンロードできます。
- Qyt-dlpでダウンロードした動画をスマホで見たいのですが、どうすればいいですか?
- A
ダウンロードした動画をスマホで見られるようにするには、スマホに対応した形式に変換する必要があります。HandBrakeなどの動画変換ソフトを使うと、簡単に変換できます。
- QYouTube以外の動画サイトでもyt-dlpは使えますか?
- A
yt-dlpはYouTubeだけでなく、ニコニコ動画やFacebookなど、さまざまな動画サイトに対応しています。ただし、サイトによってはダウンロードが制限されている場合もあるので注意が必要です。
- Qyt-dlpでダウンロードが途中で止まってしまう場合はどうすればいいですか?
- A
ネットワーク環境が不安定だと、ダウンロードが途中で止まってしまうことがあります。可能であれば、有線LANを使うなど、安定したネットワーク環境で試してみてください。また、時間をおいて再度ダウンロードを試すことも有効です。
- Qyt-dlpを使う上で、気をつけるべきことはありますか?
- A
yt-dlpで動画をダウンロードする際は、著作権に注意が必要です。著作権者の許可なく動画をアップロードしたり、販売したりする行為は法律で禁止されています。個人的な利用にとどめるようにしましょう。
参考
まとめ
yt-dlpの使い方を網羅的に解説しました。
この記事を読めば、インストール方法から基本的な使い方、応用的なテクニックまで、yt-dlpを使いこなせるようになります。
- yt-dlpのインストールと基本操作
- サンプルコードを使った応用的な使い方
- 利用時の注意点とトラブルシューティング
さあ、yt-dlpの世界へ飛び込み、YouTube動画を自由自在に操りましょう。
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